歯科ユニットを捨てようとすると、撤去と廃棄で10万円近くになることも。
捨てるだけのお金としては無視できない金額ですよね。
ですが中古の歯科ユニットを売りたいと思っても、ディーラーは基本中古を扱ってくれません。
そのため、自力で売り先を見つけなければなりません。
✔︎ 本記事の内容
✔︎ この記事を書いたひと
閉院した親の歯科医院の片付けをしています。ユニットを誰かに有償で譲りたいと考え、行動した結果、無事に売ることができました。
この記事では、
…を紹介します。
すべて経験に基づいているので、「中古ユニット」の売買に興味のある人の参考になれば嬉しいです。
中古ユニットを売ることに関して
まず中古ユニット売買に関してよくある疑問にお答えします。
そもそも中古ユニットって、個人が売って良いの?
問題ありません。
医療法の観点からも問題ないとのこと。(2022.9時点)
ですが、正規のディーラーや材料屋さんが仲介に入るわけではないので、買主との直接取引になります。
どこに売る?誰に売る?
売り先は自分で見つける必要があります。
売り先として、
- 中古売買業者に依頼する
- 知り合いの歯科医師に聞いてみる
- 地元の歯科医師会に聞いてみる
…などがあります。
メルカリやヤフオクなどを使うこともできます。
ですが「医薬品」に該当するものは、メルカリ・ヤフオクは出品できません。
そのためユニットは出品不可となります。(ヘーベルや鉗子といった道具は出品されています。)
価格の付け方
値段設定に決まりはありません。基本、言い値です。
安いと思う人いれば買ってくれるし、高すぎたり需要がなければ売れません。
とはいえユニットの場合、「残償却の額」は価格設定の参考になります。
※ 残償却とは?
ユニットは7年で価値がゼロ(7年償却といいます)になります。
例えば、280万円で買ったユニットは一年ごとに40万円(=280÷7)ずつ、価値が減っていきます。
つまり5年経過で80万円、7年経過すると0円。この額を残償却と呼びます。
残償却の額より高く売るのは難しいと思います。(同額でも厳しいので、感覚的に7割で売れたらいいのかな…という感じです。)
5年落ちの中古ユニットが売れるまでの流れ
次のとおりです。
- ①:売りに出す
- ②:連絡を待つ
- ③:見学にくる
- ④:売買成立
ひとつずつ詳しく見ていきます。
①:売りに出す
売りに出すことを知ってもらう必要があります。
- 歯科医師会の知り合い
- 歯医者の友達
- ディーラー
…に情報を流してもらいました。
【体験談】売りに出す
✔︎ わたしが売りに出した歯科用ユニット
- 使用年数 5年
- GC製
- 状態 かなり良い(修理歴なし)
- 残償却額 70万円
- 売り出し時期 8月
✔︎ 条件
- 売り値 40万円(税込)
- 撤去、移動費は買主負担(本体のみの販売)
- 動作確認可能。その後はノークレームノーリターン
上述したように、ユニットの減価償却は7年です。
ですが、丁寧に使えば10年以上もちます。中には20年以上使っている先生も。
そのため、5年ならまだ需要がある…と考えました。
とはいえ、毎月ごとに帳簿上の価値は段々と価値は落ちていきます。
特に新年を超えると、使用年数が一年増えるので見栄えも悪くなります。
ですので、わりとスピード勝負でもあります。
②:連絡を待つ
売りに出したら、興味のある人から連絡待ちましょう。
念の為、
- ユニットの動作確認
- 備品の確認(タービンヘッド、ガスバーナーなど)
…をしておくのはおすすめです。
【体験談】連絡をまつ
私の場合、売りに出してから2週間で「5人」から連絡が来ました。
- 1人目 A先生(40代) 歯医者友達の紹介 車で1時間の所で開業
- 2人目 B先生(60代) 歯医者友達の紹介 車で20分の所で開業
- 3人目 C先生(40代) 歯科医師会の知り合いの紹介 車で2時間の所に勤務(開業予定)
- 4人目 中古買取業者 車で5時間
- 5人目 D先生(50代) 歯医者友達の紹介 車で2時間の所で開業
全員と直接やり取りしました。
(A〜D先生とは知り合いから先方の連絡先を教えてもらい、直接LINEでやりとり)
✔︎ やりとりの概要
- 1人目 A先生
「他の道具にも興味がある。ぜひ見たい」 - 2人目 B先生
「ぜひ見学したい」 - 3人目 C先生
「すぐには買えない。
もう少しで開業予定なので、そのときに余っていたら譲って欲しい。」 - 4人目 中古買取業社
「輸送費・交通費がかかるので、撤去費込みで10万円なら買取ます。」 - 5人目 D先生
「見学したいが、輸送費がかかる遠方なので今回は辞退します。」
1人目のA先生と2人目のB先生から、見学申し込みがありました。
③:見学にくる
トラブル防止のために見学に来てもらうようにしましょう。
このとき、ディラーやメーカーに来てもらうことはオススメです。
- ユニットの状態
- ユニットの動作
- 備品のチェック
- 移動後の配置
…を確認できるからです。
【体験談】見学にくる
見学の希望があったのは、
- 1人目 A先生 歯医者友達の紹介 車で1時間の所で開業
- 2人目 B先生 歯医者友達の紹介 車で20分の所で開業
…の二人です。
A先生の方が連絡は早かったのですが、日程調整がうまくいかず、先にB先生が見学にくることになりました。
メーカーとディーラー立ち会いの元、見学してもらいました、
④:売買成立
ここまでで、双方が納得すれば売買成立となります。
自分で見込み客を見つけて、セールスして、買ってもらう…なかなかできない体験です。
売れた日の話
中古のユニットが売れた日の話をします。
あっさり売買成立
見学から数日後、B先生から
「ほしいです」
…という連絡をいただきました。
そのため、A先生に断りを入れて、B先生に売却することにしました。
売り出してから1ヶ月かからずに売却が決まったので、早い方だったと思います。
すぐ売れた要因としては、
- B先生にとってもお得感のある価格だった
- B先生は60代ということもあり、新品よりも中古に興味があった
- 距離が近かった(車で20分)
- ユニットの状態がよかった
…が、考えられます。
業者に移動日や撤去日の設定
売買が成立した後は
- 撤去日
- 支払い方法
…を決めます。
撤去には、メーカー・運送業者・ディーラー…といった多くの方と調整する必要があります。
そのため、日程調整はディーラーにお願いするのがいいと思います。
買主の先生の利用しているディラーであれば、よりスムーズです。
支払い方法は、
- 銀行振り込み
- 現金手渡し
どちらでも良いです。買主の先生と相談の上、決めてください。
備品があるか最終確認
受け渡しのとき、備品をしっかり渡すことを忘れないでください。
とくに、
- タービンヘッド
- コントラ
- ストレート
- 超音波
…これらはわりと高価なので、必須です。
万が一ない場合は、買主に正直に伝えてどうするか決めるようにしてください。
備品の状態によっては、
- その分割り引く
- 取引自体をキャンセル
…のような可能性もあります。
移動日や後々のトラブルを避けるためしっかり確認しておきましょう。
まとめ
今回は「閉院した歯科医院の5年落ち中古ユニットを売った話」を体験談を交えて紹介しました。
中古ユニットの売買は、
- 売主:廃棄の費用を抑えられる、再利用してもらえる
- 買主:リーズナブルに購入できる
…というメリットがあります。
このような取引では、お互い「WINWIN」をめざす…が大切です。
- 閉院を考えている
- 売れるものは売りたい
- 安く器材を手に入れたい
…といった先生の参考になれば嬉しいです。
今回は以上です。