歯科医師の年収に興味があるひと「歯医者さんっていくらもらっているのだろう。稼いでいるイメージがあるけど、実際の年収を知りたいな。年齢による違いや地域ごとの平均年収なんかも教えてほしい。」
本記事ではこういった疑問にこたえます。
✔︎ この記事を書いたひと
「歯医者ってかなり儲かっている」というイメージが世の中にはあったりします。実際「お金持ちなんでしょ?」と言われることも。
この記事では、厚労省が発表している資料を元に『歯科医師の年収』について解説します。
生涯年収や、注意するポイントも紹介します。
【歯科医師の年収はいくら?】結論、300万円〜数千万円です
ざっくりした結論をいうと、歯科医師の年収には300万円〜数千万円です。
ひと言で歯医者といっても色々な働き方があるため、年収にも幅がでます。
- ①:開業
- ②:勤務医
- ③:年代別
- ④:女性歯科医師
- ⑤:地域別
そのためこの記事では次の項目ごとに紹介します。
歯科医師の平均年収 ①:開業医の院長
まずは開業している歯科医師の平均年収です。
医療法人の院長 | 個人事業主の院長 |
1,400万円 | 1,200万円 |
歯医者の開業医は「医療法人の院長」と「個人事業主の院長」の2パターンです。
イメージとして、会社なのか個人なの…かの差ですが、開業すればどちらも「開業医の院長」です。
参考にした厚労省の資料では「個人事業主」の平均年収は空白ですが、リアルな肌感としては1,200万円くらいです。
ちなみに、歯科医師の60%が開業医です。
歯科医師の平均年収 ②:勤務医
勤務医の歯医者の平均年収は次の通りです。
個人病院の勤務医 | 医療法人の勤務医 |
630万円 | 560万円 |
内訳としてはボーナスが60万ほどで、給料は570万円。
月給にすると47.5万円。20日勤務で日給2.3万円です。
ここらへんは歯科医師が転職する際の参考にもなりますね。
参考にした厚労省の資料では個人病院と医療法人それぞれ、給料とボーナスの合計を2年分みることができます ▼
勤務医の中でも、矯正や外科などのスキルが高い先生はもっと稼いでいる印象があります。
»【632万円】勤務医の歯科医師の年収を解説|年収アップの方法も紹介
歯科医師の平均年収 ③:年代別
年代別の年収は以下の通りです。
25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60~64歳 |
557万円 | 666万円 | 523万円 | 928万円 | 969万円 | 1,140万円 | 1,156万円 | 883万円 |
経験の浅い新卒の歯科医師と、経験値のある40代の歯科医師とでは年収に差があります。
収入のピークは40代後半から50代です。
正確には年齢よりも「経験年数」の方に影響をうけますが、多くは20代中盤で歯科医師になるので誤差の範囲と考えます。
歯科医師免許には定年がないため、60歳をすぎてもバリバリ働くことができます。
歯科医師の平均年収 ④:女性歯科医師【男女差あり】
女性歯科医師の平均年収はつぎの通りです。男性歯科医師と比べています。
男性歯科医師の平均年収 | 女性歯科医師の平均年収 |
776万円 | 588万円 |
男性歯科医師に比べ、女性歯科医師は200万円ほど平均年収が低くなる傾向があります。
これは結婚・出産・育児によるライフステージの変化に影響されていると考えられます。
歯科医師の男女比は3:1です。つまり歯医者の4人に1人は女医さんです。
歯科医師の平均年収 ⑤:地域別
地域別の年収は以下のとおりです。
福島 | 茨城 | 埼玉 | 東京 | 神奈川 | 新潟 | 富山 | 石川 |
525万円 | 740万円 | 1,008万円 | 424万円 | 817万円 | 848万円 | 804万円 | 437万円 |
愛知 | 滋賀 | 大阪 | 兵庫 | 和歌山 | 岡山 | 山口 | 長崎 |
1,023万円 | 876万円 | 249万円 | 882万円 | 799万円 | 764万円 | 701万円 | 654万円 |
データのある都道府県のみ紹介しています。
東京や大阪の年収が低いのは、大学病院が多いため、研修医など年収低い時期の歯科医師がいるからだと考えられます。
歯科医師の平均年収 ④:筆者の実例(非常勤)
余談ですが、筆者の年収は以下の通りです。
- 5年目の年収:374万円
- 10年目の年収:598万円
意識が低めなので、相場よりも給料は安いです。
✔︎ 属性
- アラフォー歯科医師(勤務医)
- 開業希望なし
- 博士なし
- 自慢できる症例なし
- 転職4回
- うつ病で休職歴あり
イチ歯科医師の年収の詳細は、以下の記事をご覧ください。
歯科医師の年収をみるときにチェックするポイント
歯科医師の年収をみるときにチェックするポイントを挙げておきます。
平均年収だけをみるのはオススメしない
平均だけをみるのはオススメしません。実勢とかけ離れていることがあるからです。
そのため、平均だけでなく「中央値」をみるのも大切です。
中央値をしることで、実際からブレない値を知ることができます。
平均値と中央値の具体例
紹介した「勤務医の平均年収630万円」を例にして考えます。
10人の歯科医師の平均だとして「一人の給料が2,000万円で残り9人の給料が480万円」でも平均は630万円。
「5人の給料が780万円で、残りの5人の給料が480万円」でも平均は同じく630万円になります。
「5人の給料が780万円で、残りの5人の給料が480万円」でも平均は同じく630万円になります。
つまり、一人だけが飛び抜けていると平均値はあがり、多くの「平均以下」がうまれます。
ここでは中央値(真ん中の値)をみた方が、より現実に近いということになりますね。
とはいえ厚労省のデータでは中央値がのっていませんでした。
平均だけで判断しない…というのは、普段の生活にも役に立つ考え方です。
医師との比較【歯医者と医者の年収の差は約2倍】
歯科医師と医師では年収に差があります。
病院(一般診療所)の院長 | 歯科医院の院長 |
2,800万円 | 1,400万円 |
このように厚労省のデータによると、病院(一般診療所)の院長と歯科医院の院長とでは約2倍の差があります。
同じ医師という職業でもかなりの差があります。
✔︎ 医師の年収
歯医者の生涯年収
歯科医師の生涯年収はどれくらいなのでしょうか。
40年間、歯医者として働くと仮定すると以下の通りです。
年収700万円の生涯年収 | 年収1,200万円の生涯年収 |
2億8000万円 | 4億8000万円 |
サラリーマンの生涯年収の中央値が2億1000万円なので、生涯に稼ぐ額は割と多い感じがします。
働き方(勤務or開業)によって税金や手取りは変わってくるので、個人によって違いはでます。
»【手取りに影響】歯科医師として働く前に知りかった「税金がひかれる」話
また、身体が元気であれば定年なく働くことができるのもメリットです。
デメリットは体を悪くしてしまうと働くことができません。身体が資本…だということです。
【歯科医師の平均年収・まとめ】歯医者の年収はそれぞれ。環境次第。
今回は歯科医師の平均年収を紹介しました。
✔︎ 開業医の院長の平均年収
医療法人の院長 | 個人事業主の院長 |
1,400万円 | 1,200万円 |
✔︎ 勤務歯科医師の平均年収
個人病院の勤務医 | 医療法人の勤務医 |
630万円 | 560万円 |
✔︎ 年齢別の平均年収
25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60~64歳 |
557万円 | 666万円 | 523万円 | 928万円 | 969万円 | 1,140万円 | 1,156万円 | 883万円 |
✔︎ 性別ごとの平均年収
男性歯科医師の平均年収 | 女性歯科医師の平均年収 |
776万円 | 588万円 |
✔︎ 地域別の平均年収
福島 | 茨城 | 埼玉 | 東京 | 神奈川 | 新潟 | 富山 | 石川 |
525万円 | 740万円 | 1,008万円 | 424万円 | 817万円 | 848万円 | 804万円 | 437万円 |
愛知 | 滋賀 | 大阪 | 兵庫 | 和歌山 | 岡山 | 山口 | 長崎 |
1,023万円 | 876万円 | 249万円 | 882万円 | 799万円 | 764万円 | 701万円 | 654万円 |
客観的にみて、歯科医師ってわりと稼いでいるなぁ…と思った人もいれば、全然稼いでないな…と思った人もいると思います。
お金もデータも人生を豊かにするための道具でしかありません。データを読むだけでなく、参考にしつつ行動していきましょう。