
若い歯科医師の先生「歯医者になって大変なことってなんだろう。しんどいのは嫌なんだけど、実際の体験談を知りたいな。将来像なんかもおしえてほしい。」
本記事ではこういった疑問にこたえます。
こんにちは。
この記事を書いている私は歯科医師です。 歯医者になって10年以上経ちました。
摂食嚥下を専門にしていて、複数の病院を掛け持ちしながら生きています。
いまは、おもに高齢の患者さんを治療しています。
しかしここまで来るのに、色々と挫折をしてきました。
大変だったこと、しんどかったことを話します。そこからの学びを書いたので参考になると嬉しいです。
【体験談】歯科医師になりたての頃、大変だったことを話します【しんどい】
下記の通りです。
・いじめられた
・給料が低い
・血がキラい
・不器用
順番に見ていきます。
いじめられた
これは開業医で仕事していたときの経験です。
かなり強烈でした。
・当時は2年目
・アシストなしで一人でやれという方針の歯科医院
・60代の院長から毎日、死ねと言われる
・60代のお局の助手さんから無視される
上記の感じでした。
正直、当時の記憶はあまりなくて、割と不鮮明だったりします。血尿が出たのだけは覚えています。
>> 参考:【体験談】歯科医師として働いたら血尿が出た話【ストレス/辛かった】
そんな中でも一人だけ、5年目くらいの先生は優しくしてくれて色々教えてくれたのが救いでした。
当時は働くってこんなものだと思ってましたね。しんどすぎました。
給料が低い
給料は以下のとおりでした。
・1年目は10万円
・2年目は20万円
・3年目も20万円
当時は大きめの病院に所属して仕事していたというのもありますが、全然お金がなかったです。
開業医でバンバン働いている周りの同期は3年目で50万円くらいもらっている人もいました。
お金より「やりがい」っていう思考もあったのですが、「やりがい」だけでは生活できないという現実を突きつけられました。
>>参考:【手取りに影響】歯科医師として働く前に知りかった税金がひかれる話
血がキラい
歯医者としては致命的かもしれませんが、血がきらいでした。
本能的に怖い…と思ってしまうんですよね。
親知らずを抜くときみたいに大量の出血はもちろんなんですが、スケーリングした時に出るような歯茎の出血も見るのはあまり得意ではありません。
これは5年生の臨床実習の時から薄々感じていたのですが、実際に治療するようになって確信に変わりました。
✔︎ おまけに先端恐怖症
おまけに先端恐怖症です。もう何で歯医者になったんだ…と。
尖ってるものを見ると駄目ですね。とくに麻酔針の先端は苦手すぎます。
不器用
手先が不器用です。歯医者で手先が不器用なので、本当にしんどかったです。
・形成
・テックを作る
・根管口を探す
歯科医師の仕事としては代表的なものですが、わりと苦手です。
学生の時の歯冠彫刻でも、周りがとても綺麗な歯の形を作っている脇で一人、オブジェみたいなものを作ってました。
ここら辺から、「モノを作る」っていうことに関して得意ではないんだなと気付いてはいました。
個人的にマシだったこと
逆に個人的にあまり大変ではなかったこと、しんどくなかったことは以下の通りです。
・勉強
・コミュニケーション
✔︎ 勉強
教科書を見て調べたり論文を確認したりするといった「座学」は割と好きでした。
国家試験の勉強をしていた時も大変でしたけど、今思うと楽しかった記憶です。
✔︎ コミュニケーション
人とコミュニケーションをとるのはそこまで苦痛ではありませんでした。
患者さんと話したり同僚と話したり…
幸運なことに学生時代から周りの仲間には恵まれていたと思います。
…このように大変だと思うことと思わないことには個人差があります。
とはいえ、歯医者として生きる自信を失ったことは事実です。
歯科医師以外の仕事もやってみた
歯科医師が向いてない…と感じていたので他の仕事もやってみました。
・麻雀店の店員
・アパート経営
・インターネット上での執筆
歯科医師になって3年目の時に人間関係に疲れてしまって、2ヶ月ぐらい歯医者から離れた時期があります。
その時に麻雀店でアルバイトしました。元々麻雀が好きで学生の時にアルバイトをしていたので、再びやりました。
アパート経営を勉強してマンションの一部屋を購入してみたこともあります。結果、飽きてしまって勉強やセミナー代分、マイナスで終わりました。
インターネット上の執筆活動は今でも細々と続けています。
内容は歯医者とまったく関係ないもので、楽しみつつやっています。
行動と結果はそこそこ比例する
そんな私が10年経ってどうなったか…下記をご覧ください。
・いじめはなくなった
・給料は上がった
・血がキラい
・不器用
上記の通りでいじめはなくなり、給料が上がりました。
恵まれた人間関係と労働条件で働けていると感じています。
ただ、血が嫌いなのは相変わらずですし、器用な人から比べれば圧倒的に不器用だと思います。
摂食嚥下で戦っている
歯医者としては割とマイナーな摂食嚥下の分野で生きています。
主に高齢者や精神疾患のある人に、嚥下内視鏡検査をしたり嚥下訓練をしたり義歯を作ったりしています。
>> 参考:【緊張】歯科医師の僕が初めて訪問歯科のバイトをした日【環境が命】
元々、認知症の祖母を在宅で介護していた経験があったので、認知症の分野に興味がありました。
紹介したように血も苦手で不器用だったので、インプラントとか外科でバリバリやる自分の姿は想像できませんでした。
患者さんを担当する医師だけでなく、介護士さんやケアマネ、栄養士、歯科衛生士など介護に関わる人と一緒に仕事しています。
歯科医師に向いてない歯科医師が必死に搾り出した結論です。
掛け持ちで働いている
ひとつの病院だけではなく3つの病院を掛け持ちして仕事しています。
人間関係でうまくいかなかった経験を踏まえて、働く環境を散らすようにしました。
この方法には以下のメリットがあります。
・嫌な人と毎日顔合わせる必要がない
・仕事を辞めても収入が途切れない
心地よく感じる距離感には個人差がありますが、個人的にはべったりというよりはほどほどに離れた距離感が好きです。
最近は働き方改革が叫ばれ、歯医者もいろいろな働き方ができるようになっています。
>>参考:歯科医師がバイトを掛け持ちするメリットとデメリット【非常勤で働く】
転職は4回
恥ずかしい話かもですが、転職経験は4回ほどあります。
・知人の紹介
・求人サイト
この2つのどちらかの方法で転職をしてきました。
労働条件や給料などを検討しつつ「このままじゃやばい」と感じた職場から転職していった感じです。
知人の紹介で転職した職場は、「知人の顔に泥を塗るわけにはいかない」というプレッシャーがものすごくて、個人的には求人サイトを使うほうが楽です。
今は内部の人間関係を事前に教えてくれる求人サイトもあるので、 活用しました。
» 歯科医師向けおすすめ転職サイト5選【転職4回の歯医者が失敗しないコツを伝授】
歯科医師向けの求人サイトは山ほどあるので、自分にあった求人サイトを利用するのはわりと大切です。
切羽詰まると冷静な判断ができなくなるので、普段から定期的にチェックするようにしています。
まとめ:歯科医師は人間関係がすべて
歯科医師人生では必ず、しんどいとか大変と思うことはあります。
そのとき、人間関係が悪いと、追い打ちをかけられたりひどい時には病んだりします。
偶然私は重症化しませんでしたが、うつ病になって何年も働けなくなった歯科医師や歯科衛生士さんを何人かみてきました。
逆に、人間関係さえ良ければどんなに大変でしんどくても「よし頑張ろう」と前向きな気持ちをもつことができます。
自分と合わない人間がいるのは当たり前です。
そのため人間関係で悩むのは当然ですが、他人を変えることはできません。
すぐに変えられるのは自分だということを忘れないようにしましょう。
強みを活かそう
というわけで今回は「歯科医師なりたての頃に大変だったこと」を紹介しました。
あくまで個人の一例として書きましたが、最後にひとつだけ、それが「強みを活かそう」ということです。
やっていて楽しい、興味がある…という分野こそ伸ばすべきだと思います。
そんな分野であれば挫折しても立ち上がることができます。
多くの人は歯科医師という仕事を何十年も続けていくと思います。定年もありません。
そのためしんどいと思う場所で戦い続けるのは、それこそしんどすぎます。
少しでも楽しく笑顔の多い人生を!
今回は以上です。